しびれはなぜ起こる?
皮膚にある知覚神経で感じた刺激は、体のすみずみの神経を結ぶ連絡網である末梢神経を経て脊髄に入り、脊髄と末梢神経をつないでいる神経根から中枢神経に刺激が伝わり大脳に感覚として受け止められます。
この流れのどこかが阻害されると「しびれ」が起こります。(これが完全に阻害された時は、「しびれ」ではなく「まひ」になります。)
しびれチェック
- どのような部位に、しびれがあるか?
- どのようなとき、しびれがあるか?
(起床時、空腹時、運動時、食後、休息時など) - どのような、しびれ方であるか?
(電流が流れるような感じ、感覚が鈍ったような感じ、など) - しびれる部位に特徴はないか?
(左右対称である、末端だけにおこる、など)
しびれを感じたら…
しびれの治療は、しびれを緩和させる治療と、しびれの原因となっている病気の治療を平行して行うことになります。
しびれは全身の病気が複雑に関係しておこるため原因が特定されにくいので、治療が長期にわたることもあります。
大きな病気がしびれを引き起こしていることもあるので、症状を感じたらすみやかに神経内科など専門医の診察を受けましょう。
●男性に多い肘部管症候群
①幼少時の肘の骨折を完治させていなかったり(30歳前後に発症が多い)、②加齢や肘の酷使により肘の骨が変形して(50歳代の発症が多い)、肘の内側にある尺骨神経が圧迫され、この神経がつかさどる薬指の小指寄りの半分と小指にしびれや知覚障害が起こります。進行すると完治の難しい病気です。早めに受診しましょう。
●女性に多い手根管症候群
手のひらの付け根部分を横断するような形で張っている横手根靭帯をくぐるように(この部分を手根管といいます)、正中神経という神経(親指・人さし指・中指の3本と、薬指の半分の知覚と、親指の付け根部分の筋肉を支配しています)が通っています。
妊娠・出産期や更年期のホルモンの乱れや手の使いすぎなどにより、この神経が圧迫されて手の指にしびれが起こります。急性期には痛みも伴い、進行すると細かい作業が難しくなります。
患部を安静にすることが大切ですが、鍼灸治療も効果の高い治療法です。