40代に多い大腸の炎症「憩室炎(けいしつえん)」

目次

  1. 憩室炎とは
  2. 憩室炎の原因
  3. 症状
  4. 診断方法
  5. 治療方法
  6. 予防策
  7. 鍼灸治療

1. 憩室炎とは?

憩室炎は、消化管にできる小さな袋(憩室)が炎症を起こす状態を指します。主に大腸に影響を及ぼしますが、消化管の他の部分にも発生する可能性があります。

腸のどのあたりになりやすいのか

憩室炎は、大腸のどの部分にでも発生する可能性がありますが、最も一般的には大腸の左側、特にS状結腸(sigmoid colon)で見られます。S状結腸は大腸の下部に位置し、直腸につながる部分です。

2. 憩室炎の原因

原因説明
高齢加齢により消化管の壁が弱くなる
食生活食物繊維が少ない食事を続けること
遺伝家族歴など遺伝的要因も関与する

3. 症状

症状説明
腹痛主に下腹部の痛み
発熱炎症による発熱が見られる
便秘または下痢消化管の炎症による

4. 診断方法

方法説明
CTスキャン憩室の炎症を詳細に確認できる
大腸内視鏡検査大腸の内部を直接視覚化

5. 治療方法

方法説明
抗生物質炎症を抑えるために使用
食事療法食物繊維を多く含む食事への切り替え
手術重度の場合に行われる

6. 予防策

予防策説明
食物繊維の摂取バランスの良い食事を心がける
水分摂取十分な水分を摂取する
定期的な運動消化管の健康を維持するため

憩室炎がひどくなると、以下のような合併症や重篤な状態を引き起こす可能性があります:

  1. 腸の穿孔(Perforation):憩室が破裂し、腸内容物が腹腔内に漏れ出すことで、重度の腹膜炎(腹膜の炎症)を引き起こす可能性があります。これは緊急手術を必要とする危険な状態です。
  2. 腸閉塞(Intestinal Obstruction):憩室炎が原因で腸が狭窄したり、腸の動きが阻害されたりすることで、食べ物や便が通過できなくなる可能性があります。
  3. 膿瘍(Abscess):憩室の炎症が周囲の組織に広がり、膿を含む袋が形成されることがあります。小さい膿瘍は抗生物質で治療できることもありますが、大きなものはドレナージが必要になる場合があります。
  4. 瘻孔(Fistula):憩室炎による炎症が他の臓器に影響を及ぼし、異常な通路が形成されることがあります。例えば、大腸と膀胱の間に瘻孔が形成されると、尿中に便が混入する可能性があります。
  5. 出血:憩室内の血管が炎症や損傷を受けると、大量出血の原因となることがあります。

7.鍼灸治療


憩室炎の症状を緩和するために鍼灸治療を行う際、特定の経穴(ツボ)を使用することが考えられます。

  1. 足三里(ST36):膝の下、脛骨の前側1手幅下の点。全身の気を強化し、消化器系の機能をサポートするとされています。
  2. 中脘(CV12):胃のあたり、へその上約4指幅の位置。消化不良、胃痛、胃炎などの症状を緩和するのに用いられます。
  3. 天枢(ST25):へその両側、約2指幅の位置。腸の動きを調整し、便秘や下痢などの症状を緩和するのに役立ちます。
  4. 氣海(CV6):へその下約1.5手幅の位置。全身の気を補い、エネルギーを高め、消化系の強化に役立ちます。
  5. 大横(ST37):足三里の下約3手幅の位置にある「下肢の海」の経穴。大腸の問題や炎症を緩和するのに使用されます。

これらの経穴は、痛みの管理、消化機能の改善、免疫力アップ、全体的な体のバランスに効果があります。

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